未成年者の別居親が、未成年者の監護者指定及び子の引渡しを求め、他方、同居親が、未成年者の監護者を自分と定めるよう求めた事案において、原審は別居親の申立を認容したのに対し、抗告審は、同居中の主たる監護者は別居親であると認めながらも、別居親の従前の監護状況や監護態勢に問題があると評価し、原審を取り消した上、監護者を同居親と定め、子の引渡し申立を却下した例
【大阪高裁令和3年4月7日決定 家庭の法と裁判60号181頁】
【事案の概要】
【原審:大阪家裁令和2年(2020年)12月11日審判】
同居中Aの主たる監護者はYだったこと、YとAの愛着関係がXとAの愛着関係より深いこと、Yの予定する監護環境に問題がないことから、Yを監護者とし、XにAの引渡しを命じた。また、YがAを連れて不貞相手宅に泊まったり、出会系アプリの利用・交際をした各行為には問題があったといえるが、不貞関係が解消していること、Yは出会系アプリを今後使用しないと述べていることなどから、今後監護状況に悪影響を与えることはないとした。Xが即時抗告。
【高裁の判断】原審判取消、自判(確定)
裁判所は、Yが従前Aの主たる監護者だったことやAの愛着対象であることは認めた上で、Aが未だ幼児で主たる監護者からの密な監護を必要としていたにもかかわらず、Yが夜間外出を繰り返したため、Aが精神的に不安定になったことを認めた。そして、XにAが精神的に不安定だと指摘されていたのに、YがAを祖父母に預けて夜間外出や不貞相手と交際し、Aを連れて不貞相手宅に泊まるなど、Aの生活状況や心情の安定に反する監護をしていたもので、「Yの監護には看過し得ない問題があった」とした。また、2019年の出会系アプリ利用と交際を取り上げて、Yの異性問題には根深いものがあることがうかがわれるとし、「Yには未だ幼少であるAの安定的な監護を担うについて深刻な不安がある」とした。他方、Xの監護態勢に問題となる点がないこと、YとAの交流も実施されていること、すでに2年間Aを監護していることなどから、原審判を取り消し、Xを監護者と指定し、子の引渡しの申立ても却下した。
