其の壱から随分時間が経ってしまいました。

というのも、ワーカーホリックな兎は、パソコンの使い過ぎにより、約1か月半もの間、腱鞘炎に苦しんでいたのです。

音声入力に頼るものの、変換は思うようにいかない。

イライラした兎は、憂さを晴らすべく、方々の美術館へ跳び回っていたのでした。

 

さて、前回、「次回も北斎愛を語ります」と書きました。有言実行と行きたいところですが、百聞は一見に如かず、今回のメインは“緊急告知”です。

現在、国立西洋美術館で、「北斎 富嶽三十六景 井内コレクションより」という企画展が開催されています。6月14日までです💦

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/2026hokusai.html

 

一般的には、葛飾北斎といえば『富嶽三十六景』でしょう(あまりにも人気が出たため、さらに十景追加され、実際には“四十六景”になっているのですが)。

それまで浮世絵といえば、美人画や役者絵が中心でした。そこへ北斎が、風景画という、兎が大好きなジャンルを確立してしまったのです。そして、この『富嶽三十六景』の爆発的ヒットが、その後の安藤広重『東海道五十三次』へとつながっていきます。

今回の企画展では、全46図が一挙展示されています。

しかも、素人の兎の目にもわかるほど状態が驚くほど良い。紙は劣化しますし、保管状態によって汚れたり傷んだりもしますからね。

江戸時代の人々が見たであろう色彩や空気感を、限りなくそのまま味わえる。これは本当にすごいことです。

さらに嬉しいのが、通常は額装されていて表しか見られない浮世絵を、裏側からも見られるよう工夫されている点です。浮世絵は本来、手に取って楽しむもの。その感覚を、ちょっとだけ味わえるのです。

そして何より豪華なのが、『神奈川沖浪裏』が同時に3点展示されていること。しかも、立ち位置によっては3点を同時に視野に入れることができてしまいます。

さらに、『凱風快晴』(いわゆる赤富士)の藍刷版、通称“青富士”まで展示されています。青富士は現存数が非常に少なく、世界でも数点しか残っていないと言われています。もっとも、兎の目には「うーん、やっぱり富士山は赤かなぁ」という感想になってしまうのですが。

あ、「富士山ばかり見てもつまらないんじゃない?」と思った方。違いますよ~。

一応、すべての作品に富士山は描かれているのですが、多くの図では“申し訳程度”に存在しているか、あまり存在感がない印象です。そもそも、『神奈川沖浪裏』など、手前の大波のインパクトが強すぎて、遠くの富士山はほぼ“波の一部”です。

そして、多くの作品には兎の大好きな、人々の生活風景がたくさん描かれています。

例えば「駿州江尻」。※

女性が、持っていた紙束を突風で飛ばしてしまっている。「きゃー!」という悲鳴が聞こえてきそうです。

飛んでいく紙に思わず手を伸ばす人。笠が飛ばないよう前かがみで押さえながら歩く旅人たち。空を舞う笠。

たった一枚の静止画なのに、風が見える。

こんな形で風を表現できる北斎って、やっぱり天才だと思うのです💗

※出典:文化遺産オンライン

https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/175037

 

何はともあれ、この企画展を見逃すのは本当にもったいない。

しかも同じチケットで、チュルリョーニス展も鑑賞できます。これがまたとても素敵です💗幻想的で童話の挿絵のような世界。海外の絵本が好きな兎は、思わずこちらも2周してしまいました。

ミカロユス・チュルリョーニスは、リトアニアの音楽家・画家ですが、北斎の影響を受けた作品も描いており、そちらも展示されています。

https://www.nmwa.go.jp/jp/exhibitions/pdf/2026ciurlionis.pdf

 

告知が遅れてしまったのが悔やまれますが、まだ間に合います。

ぜひ上野に行っていただき、兎と感想を語り合いませんか?